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	<title>部活動・スポーツ  |  メンタルの強化書</title>
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	<description>仕事・スポーツ・人間関係などの悩みに役立つ、心理学に関する記事を発信するブログ</description>
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		<title>部活の練習を休むと感じる罪悪感との付き合い方</title>
		<link>https://mental-kyoka.com/archives/4170</link>
				<pubDate>Tue, 10 Jul 2018 15:17:10 +0000</pubDate>
		<dc:creator><![CDATA[メンタルの教科書 中の人]]></dc:creator>
				<category><![CDATA[怪我・故障時のメンタルケア]]></category>
		<category><![CDATA[部活動・スポーツ]]></category>

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				<description><![CDATA[部活動をしている人なら、何らかの理由で部活を休まざるを得ない時や諸事情でサボる時にに、妙な罪悪感に悩まされ休んでいるのに全然疲れが落ちない…という悩みを抱く事が多々あります。 例えば 怪我のせいで部活に参加できない。 補]]></description>
								<content:encoded><![CDATA[<p>部活動をしている人なら、何らかの理由で部活を休まざるを得ない時や諸事情でサボる時にに、妙な罪悪感に悩まされ休んでいるのに全然疲れが落ちない…という悩みを抱く事が多々あります。</p>
<p>例えば</p>
<ul>
<li>怪我のせいで部活に参加できない。</li>
<li>補修や受験勉強を優先し部活に顔を出せなくなる。</li>
<li>貧血などの体調不良のせいでトレーニングを休まざるを得ない。</li>
</ul>
<p>などの状況は、練習してないので体を休めていることには変わりはありません。</p>
<p>しかし、実際は<strong>「他の部員がしっかり練習しているのにもかかわらず自分だけ休むのは、なんだか申し訳ない…」</strong>というような、自分だけが休んで楽をしていることに罪悪感や引け目のようなネガティブな気持ちを抱いてしまうものです。</p>
<p>今回は、部活を休んだ時に感じる罪悪感についてお話いたします。</p>
<p>&nbsp;</p>
<div class="su-box su-box-style-default" style="border-color:#185c98;border-radius:3px"><div class="su-box-title" style="background-color:#1e73be;color:#FFFFFF;border-top-left-radius:1px;border-top-right-radius:1px">こちらもおすすめ</div><div class="su-box-content su-clearfix" style="border-bottom-left-radius:1px;border-bottom-right-radius:1px">
<p><a href="https://mental-kyoka.com/archives/1666">部活のやる気がない生徒は「無気力症候群」かも？体育会系だからこそ気をつけたいお話</a></p>
</div></div>
<p>&nbsp;</p>
<h2>部活を休むと感じる罪悪感の正体</h2>
<h3>真面目な性格、責任感によるもの</h3>
<p>部活動では地道にコツコツ練習を重ね、着実に実力をつけることで評価されるのが一般的です。</p>
<p>もちろん、コツコツ真面目に頑張れることそのものは、部活だけでなく勉強や仕事でも高く評価され一般的には「良いこと」だという意見はそのとおりだと思います。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>しかし、真面目に頑張る事は、場合により</p>
<p><strong>「真面目に頑張るのが良い　→　真面目に頑張るべきだ　→　真面目に頑張れなければダメだ」</strong></p>
<p>と、次第にエスカレートしやすく、練習を休めない雰囲気を部全体で作り出したり、体力が持たず休んでしまう人に対して「軟弱だ」「逃げた」という攻撃的な目で見てしまう原因になります。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>自分が「逃げた」と思われないためにも真面目な人ほど休むことに罪悪感を募らせてしまい、体が悲鳴をあげているのにもかかわらず無理に練習を重ねて故障してしまう。</p>
<p>仮に、最後までやりきったとしても心身ともにエネルギーを使い果たしたことで燃え尽き症候群を引き起こし無気力状態になることがあります。</p>
<p>また、このことは完璧主義な性格の人や、負けず嫌いな性格の人でもよく見られます。</p>
<p>部活においては完璧を目指したり、負けず嫌いで必死に食らいつくガッツのある部員は好まれる一方で、</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>なお、このように、ある集団内で意見が極端なものい偏る事は、心理学では集団極化と呼ばれています。</p>
<p>集団極化については以下の記事で詳しく解説しています。</p>
<p>&nbsp;</p>
<div class="blog-card internal-blog-card blog-card-thumbnail-right blog-card-wide cf"><div class="blog-card-thumbnail"><a href="https://mental-kyoka.com/archives/2875" class="blog-card-thumbnail-link"><img width="100" height="100" src="https://mental-kyoka.com/wp-content/uploads/2018/03/hanashiai-kyokutan-100x100.jpg" class="blog-card-thumb-image wp-post-image" alt="「集団極化」話し合いで意見が偏る、革新的・保守的な思考になってしまう理由について" srcset="https://mental-kyoka.com/wp-content/uploads/2018/03/hanashiai-kyokutan-100x100.jpg 100w, https://mental-kyoka.com/wp-content/uploads/2018/03/hanashiai-kyokutan-150x150.jpg 150w" sizes="(max-width: 100px) 100vw, 100px" /></a></div><div class="blog-card-content"><div class="blog-card-title"><a href="https://mental-kyoka.com/archives/2875" class="blog-card-title-link">「集団極化」話し合いで意見が偏る、革新的・保守的な思考になってしまう理由について</a></div><div class="blog-card-excerpt">話し合いミーティングで議論が白熱するあまりに、なんだか穏やかじゃない方向に話が進んでしまったという経験はございませんでしょうか。

話し</div></div><div class="blog-card-footer"><div class="blog-card-site"><span class="blog-card-favicon"><img src="//www.google.com/s2/favicons?domain=mental-kyoka.com" class="blog-card-favicon-img" alt="" width="16" height="16" /></span><a href="https://mental-kyoka.com">mental-kyoka.com</a></div><div class="blog-card-hatebu"><a href="//b.hatena.ne.jp/entry/https://mental-kyoka.com/archives/2875" rel="nofollow"><img src="//b.hatena.ne.jp/entry/image/https://mental-kyoka.com/archives/2875" alt="" /></a></div></div></div>
<p>&nbsp;</p>
<h3>部員、指導者の期待に応えられないことへの負い目</h3>
<p>例えば、部全体で大会に向けて雰囲気を作っていい感じになっているタイミングで、自分一人だけ怪我で練習を見学しなければいけない状態になってしまうと、まるで自分が部に関わる人達の期待を裏切ったかのように感じて罪悪感を抱くことがあります。</p>
<p>基本的に部活動は一人でやるのではなく、同級生や先輩後輩、顧問の先生などの指導者も加わり集団になって行われるものです。</p>
<p>集団になって行う以上は、誰かの期待や応援の声、場合によっては部の伝統や学校の看板などを背負い部活に励む場面も出てきます</p>
<p>必死に部活に励む人ほど、これらの期待に応えることこそ自分の果たすべき役目だと感じている一方で、怪我や諸事情により部活に参加できなくなった時に、その役目を果たせない自分に対して強い「申し訳ない」「示しがつかない」という罪悪感を抱くのです。</p>
<p>&nbsp;</p>
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<p>&nbsp;</p>
<h3>他の部員の足を引っ張っているという自責の念</h3>
<p>野球やサッカーのようにチームスポーツの場合、チームに穴ができてしまう事はあまり好ましいことではありません。</p>
<p>穴を開けてしまうことで、チームが大会にベストコンディションの状態で参加できなくなってしまい、勝利から遠のいてしまう可能性が高くなってしまいます。</p>
<p>もしも、自分が抜けたせいで敗北を喫してしまえば、それこそ「自分が休んだせいで他の部員の足を引っ張ってしまった」という自責の念に駆られてしまい、申し訳のない気持ちで胸がいっぱいになってしまいます。</p>
<p>&nbsp;</p>
<h3>「練習を１日休んだら取り戻すのに３日かかる」などの部活格言</h3>
<p>体育会系に限らず文化系の部活動で、積極的に練習に取り組む目的としてよく言われているのが「練習を１日休んだら取り戻すのに３日かかる」という格言の類です。</p>
<p>&nbsp;</p>
<div class="blog-card internal-blog-card blog-card-thumbnail-right blog-card-wide cf"><div class="blog-card-thumbnail"><a href="https://mental-kyoka.com/archives/1958" class="blog-card-thumbnail-link"><img width="100" height="100" src="https://mental-kyoka.com/wp-content/uploads/2017/09/rensyuu_yasumanai-100x100.jpg" class="blog-card-thumb-image wp-post-image" alt="「練習を1日休んだら取り戻すのに3日かかる」という根拠のない言葉は怪我やストレスの元" srcset="https://mental-kyoka.com/wp-content/uploads/2017/09/rensyuu_yasumanai-100x100.jpg 100w, https://mental-kyoka.com/wp-content/uploads/2017/09/rensyuu_yasumanai-150x150.jpg 150w" sizes="(max-width: 100px) 100vw, 100px" /></a></div><div class="blog-card-content"><div class="blog-card-title"><a href="https://mental-kyoka.com/archives/1958" class="blog-card-title-link">「練習を1日休んだら取り戻すのに3日かかる」という根拠のない言葉は怪我やストレスの元</a></div><div class="blog-card-excerpt">部活動の指導で「練習を1日休んだら取り戻すのに3日かかる」と言い聞かせて、練習をサボらせない、練習を継続することの大切さを伝えようとする指導</div></div><div class="blog-card-footer"><div class="blog-card-site"><span class="blog-card-favicon"><img src="//www.google.com/s2/favicons?domain=mental-kyoka.com" class="blog-card-favicon-img" alt="" width="16" height="16" /></span><a href="https://mental-kyoka.com">mental-kyoka.com</a></div><div class="blog-card-hatebu"><a href="//b.hatena.ne.jp/entry/https://mental-kyoka.com/archives/1958" rel="nofollow"><img src="//b.hatena.ne.jp/entry/image/https://mental-kyoka.com/archives/1958" alt="" /></a></div></div></div>
<p>上の記事でも触れていますが、この言葉の元ネタと思われるのはフランスのピアニストのアルフレッド・コルトー言葉です。</p>
<p>この言葉は(当然ながら)科学的根拠に乏しく、実際にこの格言通りに練習したからといって、確実に成長したり大会で自己ベストが出る未来が保証されているというわけではありませんし。</p>
<p>逆に守らなかったら必ずダメになるというわけでもありません。</p>
<p>しかし、先輩や指導者のことなら自分でよく考えもせずなんでも聞いてしまう人や、なんとかして練習で体を鍛えて早くチームに貢献できるようになりたいと思っている人ほど、この手のもっともらしい格言やポエムに影響され、自分で自分を追い込んでしまうのです。</p>
<p>&nbsp;</p>
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<p>&nbsp;</p>
<h2>罪悪感から逃れるための練習はオーバートレーニングの原因に</h2>
<p>練習を休むことに罪悪感を感じてしまう人に多いのが、罪悪感から逃れるために休むべきタイミングで休まず、勝手に自主練やトレーニングをしてしまった結果、オーバートレーニングになり調子を落としてしまうケースです。</p>
<p>&nbsp;</p>
<ul>
<li>みんなが頑張っているのに、自分だけ休むのは忍びない。</li>
<li>練習するのが当たり前の日常を送っていたから、練習のない日はなんだか気持ちが落ち着かない</li>
<li>休むのが大事とはわかっているけど、体が鈍るような気がして結局練習をしてしまう。</li>
</ul>
<p>などは、一見すると休みを返上して真面目に練習を取り組んでいるので非常に素晴らしいことのように見えます。</p>
<p>しかし、一方では休む</p>
<ul>
<li>タイミングで休めず自らコンディションを崩している。</li>
<li>自分のメンタル面のコントロールができていない。</li>
<li>本格的に怪我をして悪化するまで練習し続けてしまう恐れがある。</li>
</ul>
<p>などの問題もはらんでおり、決して無批判に肯定したり美化していい事とは言いきれません。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>なお、多少練習を休まず無理して頑張っても、それなりにうまくいってしまうこともあるのが厄介です。</p>
<p>「練習を休めば必ず効果が出るわけではない」を都合よく解釈し、休まないことを正当化してしまう理由になります。</p>
<p>また年齢や運動歴、体力によっては反日の休みで疲れが取れる人もいれば、疲れが抜けきるのに3日もかかってしまう人がいるように、休むのに必要な時間の長さには個人差があるので、比較的短時間休めばOKという人を見ては、休まないことを正当化してしまうことがあります。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p>
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<p>&nbsp;</p>
<h2>「休むのも練習のうち」を徹底していく</h2>
<p>部活の練習は、休むのを我慢してがむしゃらに練習に打ち込むことばかりが正しいわけではありません。</p>
<p>スポーツ科学の分野でも、トレーニングのあとに筋肉を適度に休めることでトレーニング前の状態に回復するだけでなく、トレーニング前よりも筋力を高めることができる(＝超回復)ことがわかっているように、<strong>「休むのも練習のうち」</strong>を徹底していくことが大事です。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>また、部活動の大会のように、「確実に勝つとは限らない」「ひょっとしたら負けることもあるかも知れない」という、未来がどうなるかはっきりしないことに対しては誰でも不安を感じるものです。</p>
<p>しかし、その不安を打ち消すために闇雲に練習量を増やし「とにかく不安に負けない確かな自信や強さが欲しい」という焦りに飲み込まれないようにすることも大事です。</p>
<p>そのためには、普段から練習日誌をつけたり、毎週決まった曜日を休養日してしっかり休むようにするなどのルールを決めて実行していくことが効果的です。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>関連記事</p>
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<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
										</item>
		<item>
		<title>ミルグラム実験(アイヒマン実験)とスタンフォード監獄実験から見る命令と立場に関する心理学</title>
		<link>https://mental-kyoka.com/archives/3608</link>
				<pubDate>Wed, 23 May 2018 14:10:34 +0000</pubDate>
		<dc:creator><![CDATA[メンタルの教科書 中の人]]></dc:creator>
				<category><![CDATA[心理・心理学]]></category>
		<category><![CDATA[部活動・スポーツ]]></category>
		<category><![CDATA[心理学実験]]></category>
		<category><![CDATA[心理学用語]]></category>

		<guid isPermaLink="false">https://mental-kyoka.com/?p=3608</guid>
				<description><![CDATA[社会生活を送る上では、自分がリーダーなどの集団を率いる立場にたって、率先して集団に指示を出し行動をコントロールしていく場面は出てくるものです。 例えば、部活動で先輩として後輩に指導をしたり、チーム全体をまとめるときに、う]]></description>
								<content:encoded><![CDATA[<p>社会生活を送る上では、自分がリーダーなどの集団を率いる立場にたって、率先して集団に指示を出し行動をコントロールしていく場面は出てくるものです。</p>
<p>例えば、部活動で先輩として後輩に指導をしたり、チーム全体をまとめるときに、うまく声かけや指示出しすること自体は、チーム作りをする上では大切なことであり、肯定的な行動として見る人が多いでしょう。</p>
<p>先輩というチームの中でも経歴とある程度の立場がある以上、先輩は先輩としてふさわしい行動を求められ、その結果チームをまとめる力や行動力、コミュニケーション能力が養われるので、これだけを見ればひねくれた目で見るような問題はないと思います。</p>
<p>しかし、そういった他人をうまく操作する技術が</p>
<ul>
<li>相手の行動や思考を支配して思い通りに動かしたい。</li>
<li>自分の利益を増やすために、意図的に相手を騙したい。</li>
<li>自分の立場を強固なものにするために、相手に尊敬や崇拝をさせたい。</li>
</ul>
<p>といった、倫理的に危うい方向に働いてしまうことで、最近話題になっている日大アメフト部のタックル騒動のような出来事に発展するリスクがあることは見逃すことはできないと感じます。</p>
<p>今回は、ミルグラム実験とスタンフォード監獄実験をもとに立場や命令に関する心理についてお話しいたします。</p>
<p>&nbsp;</p>
<div class="su-box su-box-style-default" style="border-color:#185c98;border-radius:3px"><div class="su-box-title" style="background-color:#1e73be;color:#FFFFFF;border-top-left-radius:1px;border-top-right-radius:1px">こちらもおすすめ</div><div class="su-box-content su-clearfix" style="border-bottom-left-radius:1px;border-bottom-right-radius:1px">
<p><a href="https://mental-kyoka.com/archives/3598">嫌なことを断れない人の心理とその背景について</a></p>
<p><a href="https://mental-kyoka.com/archives/3589">飴と鞭の指導方法に関する心理学と問題点</a></p>
</div></div>
<p>&nbsp;</p>
<h2>ミルグラム実験</h2>
<p>ミルグラム実験(1963年)とはアメリカの心理学者スタンレー・ミルグラムが行なった、命令や服従に関する心理実験です。別名、アイヒマン実験、アイヒマンテストとも呼ばれています。</p>
<p>&nbsp;</p>
<h3>実験内容・手順</h3>
<ol>
<li>被験者を2人1組にして、片方は教師役を、もう片方は生徒役をする。</li>
<li>教師役になった被験者は問題を出し、生徒は別室で解答する。</li>
<li>生徒役が問題を間違った場合、教師役は生徒役に対して電気ショックを与える。</li>
<li>問題を間違えるたびに電圧を強める。</li>
<li>ちなみに電気ショックを与えるスイッチには、電圧の強さが与える衝撃が書かれており、生徒役がどうなるかが想像できるようになっていた。</li>
<li>しかし、実際には電気ショックは生徒役には流れず、生徒役は<strong>電気ショックを受けるたびに、徐々に苦しがったり悲鳴をあげるなどの演技を行う。</strong>なお、最終的には悲鳴すらあげず無反応の演技を行う。</li>
<li>教師役のうち6割は、指示通りに電流を流すうちに<strong>致死量である450ボルトの電気ショックを与えるという結果になった。</strong></li>
<li>また、実験の監督役に対して実験の中止を訴える教師役もいたが、<strong>監督から実験続行を命じられると、従ってしまう人もいた。</strong></li>
</ol>
<p>&nbsp;</p>
<h3>実験からの考察</h3>
<p>ミルグラム実験での教師役は、当然ながら生徒役が演技で苦しがっていることは知らされていません。電気ショックを与えれば、実際に電気刺激を受けて苦しむに違いないと考えるように設計された実験です。</p>
<p>この実験では実験を行う人(監督役)と実験を受ける人(教師役)という、権威・立場に基づく人間関係が存在しており、監督役から与えられた命令に対しては逆らえず従ってしまう結果となりました。</p>
<p>また、冷静に考えれば普段の生活では電気ショックのような人に痛み、苦痛、損害を与える行動をすることはできないものです、認められるものではありません。</p>
<p>しかし、人間は誰かに命じられるとそれを断れず、冷酷なまでに命令を受け入れ実行てしまうことが、この実験から伺えます。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>なお、この実験の別名「アイヒマン実験」は、ナチスでユダヤ人大量虐殺の責任者であるアドルフ・アイヒマン中佐が語源です。</p>
<p>虐殺を支持することから極悪人をイメージするかもしれませんが、アイヒマン自身はごく平凡な官僚(公務員)であり、そんな平凡な人間でさえも上からの命令には逆らえず非人道的な行為に手を染めてしまう危うさが伺えます。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p>
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<p>&nbsp;</p>
<h2>スタンフォード監獄実験</h2>
<p>スタンフォード監獄実験(1971年)はスタンフォード大学で行われた心理学者ジンバルドーによる実験です。</p>
<p>ミルグラム実験同様この実験では人間は与えられた立場・役割が自分の行動や思考に影響を与えることがわかりました。</p>
<p>&nbsp;</p>
<h3>実験内容・手順</h3>
<ol>
<li>被験者を集め看守役と囚人役に分けた。</li>
<li>看守役は見た目が看守らしくなるように制服、警棒、サングラス、手錠を装備。囚人を番号呼びにして、行動も実際の看守に寄せた。</li>
<li>囚人役は囚人服を着用。何をするにも看守からの許可を得ることがルールとして決められた。</li>
<li>看守役と囚人役は監獄(模擬裁判所)に収容し、その後の行動を観察。</li>
<li>実験では<strong>看守役はエスカレートし、事前に決められたルールから逸脱した高圧的な態度や、侮辱、暴力を行う者が現れた。</strong></li>
<li>囚人役は精神的に追い詰められたり、実験の中止を訴える者が出てきた。そのため、当初2週間を予定していた実験は6日で打ち切られることになった。</li>
</ol>
<p>&nbsp;</p>
<h3>実験からの考察</h3>
<p>この実験からは、実験上の立場でしかない仮の看守・囚人という立場であっても、人間はその立場に応じた思考や行動をしてしまうことが明らかになりました。</p>
<p>また、看守役は囚人役の行動を認めるot認めない、という<strong>権力を持った立場です。</strong></p>
<p>権力を持つ人は、その権力によって他人の行動を自分の意のままに操ることが出来るために、例えルールで禁じられたり、ルール外の行動であっても、権力を手にしたことで増長し行動がエスカレートしてしまう危うさがこの実験では伺えます。</p>
<p>一方で、権力により自分の行動の自由が左右されてしまう、誰かに弱みを握られている立場の人は、権力を持った人に立ち向かうのではなく、理不尽に耐え続けてしまう。</p>
<p>つまり権力者や権威に歯向かうのではなく、<strong>下の立場という役割にあった行動をしてしまうことが伺えます。</strong></p>
<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p>
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<p>&nbsp;</p>
<h2>立場さによる理不尽な命令は自己正当化で解消する</h2>
<p>ちなみに、自分が不正行為や納得できないことに手を染めてしまったときに、罪悪感や言葉にできない不快感を感じるものです。</p>
<p>そういった感情は</p>
<ul>
<li><strong>「これは命令だから仕方が無かった」</strong></li>
<li><strong>「何かあったら上の人が責任をとる」</strong></li>
<li><strong>「自分は悪くない、悪いのは命令をした上の人だ」</strong></li>
</ul>
<p>と、自己正当化をすることで解消します。</p>
<p>こうすることで、自分が感じる罪悪感を抑えたり、責任転嫁をして自分の気持ちを落ち着け用途するのです。</p>
<p>自己正当化は、自分が行っていることの重大さや問題を意図的に無視したり、続けるうちに罪悪感を感じないことから、他の人に対しても同様の理不尽な命令をしてしまう原因となります。</p>
<p>&nbsp;</p>
<div class="su-box su-box-style-default" style="border-color:#185c98;border-radius:3px"><div class="su-box-title" style="background-color:#1e73be;color:#FFFFFF;border-top-left-radius:1px;border-top-right-radius:1px">こちらもおすすめ</div><div class="su-box-content su-clearfix" style="border-bottom-left-radius:1px;border-bottom-right-radius:1px">
<p><a href="https://mental-kyoka.com/archives/3010">自己正当化のメリット・デメリットについて</a></p>
<p><a href="https://mental-kyoka.com/archives/3045">スポーツをしている人はハラスメントに甘くなってしまう スポーツの世界とパワハラの関係</a></p>
</div></div>
<p>&nbsp;</p>
<h2>体育会系の部活動からみる命令と立場</h2>
<p>以上のことを踏まえて、体育会系の部活動を例にして考えてみましょう。</p>
<p>よくある体育会系の部活動は</p>
<ul>
<li style="text-align: left;"><strong>「先輩＞後輩」という年齢による上下関係ができており、下の立場の人は上の立場の人の命令には逆らえない。</strong></li>
<li><strong>また「監督・指導者＞(先輩・後輩含む)部員」という上下関係もあり、同様に下の立場の人は上の立場の人の命令には逆らえない。</strong></li>
</ul>
<p>という、上下関係に基づいた集団となっています。</p>
<p>なお、部内全体の上下関係はピラミッド上に「監督＞指導者・コーチ＞上級生＞下級生」という構成になっていることが多いでしょう。</p>
<p>&nbsp;</p>
<h3>部員同士のいじめの場合</h3>
<p>部員同士で先輩と後輩という関係で接するときは、先輩は先輩らしく後輩に厳しくすることもあります、次第に暴走してシゴキや嫌がらせ、<a href="https://mental-kyoka.com/archives/2690">モラハラ</a>などの理不尽に手を染めることがあります。</p>
<p>後輩はというと、そんな先輩のシゴキに対して反発するのは後輩らしい態度ではないと感じて、たとえ嫌なことであっても我慢して受け入れることこそ後輩らしさであると考え、後輩らしい振る舞いに徹してしまいます。</p>
<p>仮に後輩なのに先輩に楯突くような態度を取れば、先輩から目をつけられイビりやいじめの対象になるリスクがあるので、理不尽を受け入れるのはある意味「部活動という狭い人間関係で波風立てずやり過ごす」点では理にかなっているとも言えます。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>監督と部員として振舞うときは、いつもは後輩に対して強く出ていた先輩でさえも、監督の前ではおとなしくならざるを得なくなり、自分の考えや主張を殺し、部員らしく監督や指導者の命令に従う行動をとります。</p>
<p>ここで監督の立場にある人が、先輩部員の暴走に気づいて歯止めをかけられていれば、部員同士のトラブルに対して対処できますが、なにせ先輩と言っても監督の前では一部員らしい上下関係に基づいた振舞いをすることから、トラブルを見抜けなくなりがちです。</p>
<p>先輩と言っても上の者には媚びへつらい、下の者には傲慢な振る舞い顔を使い分けるものです。</p>
<p>こうやって、場面と状況に応じてふさわしい振る舞いをするのは、スタンフォード監獄実験に通ずるものがあります。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p>
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<p>&nbsp;</p>
<h3>監督・コーチによる無理な命令の場合</h3>
<p>体育会系の上下関係に基づいた人間関係は、部内において権力と強く結びつきのある関係です。</p>
<p>先輩と後輩の関係なら、先輩の方が権力者であり後輩に対して(お節介のような)アドバイスをして行動をコントロールしたり、立場差を利用しパシリや雑用をさせ服従させることもできます。</p>
<p>もちろん、普通の学生同士という関係なら、ただ年齢が上というだけでパシリや雑用をされる筋合いはありませんし、仕事でもなんでもないので理不尽に従うべき理由はありません。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>また、監督と部員の関係も監督側が権力者であり、部員に指示を出して行動をコントロールしたり、立場差を利用して無理難題を強いることができてしまいます。</p>
<p>そいて監督側は</p>
<ul>
<li>自分の采配によって試合に出すレギュラーメンバーを自由に決められる。</li>
<li>スポーツ進学、就職などの部員の進路・将来を決められる。</li>
<li>他の部員に悪評を流したり、えこ贔屓により特定の選手を村八分にできてしまう。</li>
</ul>
<p>といった、より部員の実利や自由、生殺与奪の権を握っている権力者と言っても過言ではありません。</p>
<p>権力を悪用すれば</p>
<ul>
<li>言うとおりにしなければレギュラーから外す。</li>
<li>成果を上げなければ推薦をキャンセルする。</li>
<li>態度が悪いから練習に参加させない</li>
</ul>
<p>&nbsp;</p>
<p>という脅しともとれる説得術を使って、部員に無理難題を強いたり、ルール違反をするように仕向けることもできてしまうのです。</p>
<p>いくら部内で立場のある部員であっても、監督という権力者の前では頭が上がらず、例えルール違反となる行為であっても、監督の指示には逆らえず従ってしまうという、ミルグラム実験と同様の事態が起きるのです。</p>
<p>また、監督が部だけでなく、学校や地域に対する権力も握っていれば、ますます意見しにくくなり、自然と従う人が増えてしまいます。</p>
<p>&nbsp;</p>
<h3>部の伝統が権威になり逆らえなくなる場合</h3>
<p>体育会系の部活によくあるのが昔から続いているという伝統が権威となり、部員だけでなく監督や指導者までもそれに従ってしまうというケースです。</p>
<p>人間は監督、先輩という一個人の立場や権力だけでなく、組織、集団、歴史、ブランドといった多くの人によって作られた権威に弱く、簡単に従ってしまうものです。</p>
<p>それは、部の伝統も同じで、例え時代にそぐわない部の伝統として伝えられている非科学的なトレーニングであっても、それに権威があると感じてしまえば自分の意見を押し殺して従ってしまうのです。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p>
<div class="su-box su-box-style-default" style="border-color:#185c98;border-radius:3px"><div class="su-box-title" style="background-color:#1e73be;color:#FFFFFF;border-top-left-radius:1px;border-top-right-radius:1px">こちらもおすすめ</div><div class="su-box-content su-clearfix" style="border-bottom-left-radius:1px;border-bottom-right-radius:1px">
<p><a href="https://mental-kyoka.com/archives/2904">「傍観者効果」集団になると見て見ぬ振りをしてしまう心理について</a></p>
<p><a href="https://mental-kyoka.com/archives/2918">人は群れると馬鹿になる「集団心理(群集心理)」で起きる行動の特徴について</a></p>
<p><a href="https://mental-kyoka.com/archives/2875">「集団極化」話し合いで意見が偏る、革新的・保守的な思考になってしまう理由について</a></p>
</div></div>
<p>&nbsp;</p>
<h2>参考書籍</h2>
<div class="cstmreba">
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<div class="booklink-name">
<p><a href="//af.moshimo.com/af/c/click?a_id=792397&amp;p_id=170&amp;pc_id=185&amp;pl_id=4062&amp;s_v=b5Rz2P0601xu&amp;url=http%3A%2F%2Fwww.amazon.co.jp%2Fexec%2Fobidos%2FASIN%2F430946369X" target="_blank" rel="noopener">服従の心理 (河出文庫)</a><img alt="" style="border: none;" src="//i.moshimo.com/af/i/impression?a_id=792397&amp;p_id=170&amp;pc_id=185&amp;pl_id=4062" /></p>
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</div>
<div class="booklink-detail">スタンレー ミルグラム 河出書房新社 2012-01-07</div>
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</div>
</div>
<div class="booklink-footer"></div>
</div>
</div>
]]></content:encoded>
										</item>
		<item>
		<title>飴と鞭の指導方法に関する心理学と問題点</title>
		<link>https://mental-kyoka.com/archives/3589</link>
				<pubDate>Mon, 21 May 2018 15:53:02 +0000</pubDate>
		<dc:creator><![CDATA[メンタルの教科書 中の人]]></dc:creator>
				<category><![CDATA[部活・スポーツのメンタル指導]]></category>
		<category><![CDATA[部活動・スポーツ]]></category>
		<category><![CDATA[心理学用語]]></category>
		<category><![CDATA[教育]]></category>

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				<description><![CDATA[新入社員研修や部活動の指導などで、いつもは厳しい言葉を投げかけて指導するけど、時々褒めたり努力を評価する言葉がけをする教育法は「飴と鞭」の代表例です。 飴と鞭といえば、誰かを教育・指導する方法としては基本的なものであり、]]></description>
								<content:encoded><![CDATA[<p>新入社員研修や部活動の指導などで、いつもは厳しい言葉を投げかけて指導するけど、時々褒めたり努力を評価する言葉がけをする教育法は<strong>「飴と鞭」</strong>の代表例です。</p>
<p>飴と鞭といえば、誰かを教育・指導する方法としては基本的なものであり、どんな人でも効果が出る教え方だ…なんて風潮で語られることもあります。</p>
<p>いいことをすれば褒める、悪いことをすれば叱るというシンプルさゆえに、子供の教育から大人の教育まで応用され、まさに王道的な教育方法とも言えるでしょう。</p>
<p>しかし、飴と鞭は使い方を間違えると精神的に依存させたり、マインドコントロールにつながることもあります。</p>
<p>今回は、そんな飴と鞭に関する心理学についてお話いたします。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p>
<h2>飴と鞭の仕組み</h2>
<p>飴と鞭は人の意欲(モチベーション)を掻き立て、その気にさせるための基本的な法則とも言えます。</p>
<p>その法則について詳しく説明していきます。</p>
<p>&nbsp;</p>
<h3>「報酬」と「罰」を組み合わせる</h3>
<p>飴と鞭の基本は<strong>「報酬」</strong>と<strong>「罰」</strong>を組み合わせることです。</p>
<p>報酬は指導する相手にとって快感を与えるもの、罰は相手にとって不快感を与えるものになります。</p>
<p>例えば体育会系の部活動の場合なら</p>
<ul>
<li>飴(報酬)：努力を認める、励まし・感謝の言葉、チーム内で表彰する、レギュラーに抜擢する…など</li>
<li>鞭(罰)：努力を認めない、厳しい叱責、ペナルティを与える、<a href="https://mental-kyoka.com/archives/1823">連帯責任</a>、降格…など</li>
</ul>
<p>が、報酬と罰の主な内容です。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>なお、報酬という言葉だけに、実際に金銭や物品を報酬(この場合は「ご褒美」と言ったほうが最適)として与えることもあります。</p>
<p>しかし、実際の部活動では誰かに対して金品を与えたり奢ったり優遇すれば、他の部員がえこ贔屓だと感じて意欲を失ったり、物品の受け渡しそのものが問題視されることがあるのであまり現実的ではありません。</p>
<p>そのため、褒める、認めるといったコミュ二ケーションであったり、チーム内での立場の変化といった精神的なものが報酬および罰として与えられます。</p>
<p>&nbsp;</p>
<h3>「条件付け」により行動をコントロールする</h3>
<p>報酬と罰により、人の意欲をコントロールすることは行動心理学では<strong>「条件付け」</strong>と呼ばれています。</p>
<p>実際に指導する時は、相手が自分の意図している事をしたり良い事をすれば報酬を与える。逆に、自分の意図しないことや悪い事をすれば罰を与える、という使い分けをしながら指導していきます。</p>
<p>こうすることで、指導されている人は</p>
<ul>
<li><strong>「何をすれば報酬が受け取れるのか」</strong></li>
<li><strong>「何をしたらば罰を受けるのか」</strong></li>
</ul>
<p>という事を学習し、指導者の意図を汲み取って行動をするようになります。</p>
<p>また、条件付けは人間の他にも、言葉が通じない動物を調教するときにも使われます。</p>
<p>例えば犬にトイレの場所を教えるときに、失敗したら叱る、成功したら褒めたりご褒美を与えて、トイレをどこですれば怒られずに済むか、あるいはご褒美がもらえるのかということを学習していきます。</p>
<p>&nbsp;</p>
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<p>&nbsp;</p>
<h3>飴の与え方は初めは必ず、次第にときどき与える</h3>
<p>いいことをしたら飴(報酬)を与えますが、その与え方にもコツがあります。</p>
<p>より指導の効果を高めたければ、</p>
<ul>
<li><strong>連続強化：いいことをすれば必ず報酬を与える方法</strong></li>
<li><strong>間欠強化：いいことをしても報酬を与えたり、与えなかったりする方法</strong></li>
</ul>
<p>の2種類を駆使していきます。</p>
<p>連続強化は、いいことをすれば必ず報酬がもらえうので最初のうちは効果的ですが、次第に「報酬がもらえるのが当たり前」だと感じてマンネリ化を招く原因になります。</p>
<p>それを防ぐのが間欠強化であり、ある程度モチベーションが上がってきたら、報酬を与えるときと与えないときとを組み合わせて、マンネリ化を防ぐのです。</p>
<p>より飴と鞭の効率を上げたければ、最初のうちはいいことをしたらその度に必ず褒めて報酬を与える。そして、お互いに信頼関係が構築され出したら、報酬を与える頻度を調整して時々与えるようにして相手のモチベーションをうまく調整するのです。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>ちなみに、普通に仕事をすれば手に入る報酬にさほど有り難みを感じない一方で、たまにもらえる臨時収入やギャンブルによる収入の方がありがたく感じるのは、前者が連続強化、後者が間欠強化ということが影響していると考えることもできます。</p>
<p>&nbsp;</p>
<h3>鞭の代わりに「無視」を利用することでより強固にする</h3>
<p>飴と鞭とはいえ、鞭ばかりを受け続けたら体も心も痛み、無気力感を生む原因になります。</p>
<p>動物(マウス)を使った飴と鞭を調べる実験でも、罰となる電気ショックを与え続けるとその場にうずくまってしまったり、ストレス性の胃潰瘍で死んでしまうマウスが出てきて、罰を与えることが必ずしも効果があるわけではないと考えられるようになっています。</p>
<p>そこで鞭(罰)の代わりに登場したのが、<strong>無視</strong>することを取り入れることです。</p>
<p>いいことをすれば報酬を与える、逆に悪いことをすれば褒めも貶しもせず無視をすることで、お互いに余計なストレスを抱えずに済むだけでなく、「どうすれば褒められるか」という一点にだけ絞って相手に考えさせることができます。</p>
<p>なお、人によっては「飴でも鞭でもとりあえず構ってくれたらそれが報酬」と感じるケースもありますが、この場合も無視をすることで鞭の意味のなさを解消しつつ、より報酬を受け取れるように学習させることができます。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p>
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<p>&nbsp;</p>
<h2>飴と鞭の指導方法が抱える問題点</h2>
<h3>罰のせいで無気力や学習性無力感を招くことがある</h3>
<p>罰と報酬をセットにすると言っても、その罰の感じ方は人それぞれです。</p>
<p>ストレス耐性が低く、少し厳しい言葉を言われただけでひどく落ち込んでしまう人にとっては、罰を受ける頻度や罰の強度が高すぎると、無気力感になってしまい行動できなくなることがあります。</p>
<p>また、何度も罰を受け続けていく中で、次第に「自分は何をしても怒られるのだから、いっそ何もしない方がマシだ」という悟りを開いた心理になることもあります。</p>
<p>これは<a href="https://mental-kyoka.com/archives/3159">学習性無力感</a>と呼ばれるもので、指導を受けても怒られた経験が繰り返されたことで「何をやっても無駄」ということを学んだ状態です。</p>
<p>飴と鞭で指導する人の中には、やたらと飴を与えることを渋ったり、いいプレーをしても勝って兜の緒を締めよと言わんばかりに、厳しい言葉を投げかけることを報酬だと考えている人もいます。</p>
<p>しかし、必ずしも<strong>「指導する側の報酬＝指導を受け取る側の報酬」</strong>となるわけではないので、自分でも報酬を与えているつもりでも、相手からすれば「この人は何をやっても怒って報われない」と感じて、無気力を招いてしまうと言えるのです。</p>
<p>&nbsp;</p>
<h3>マインドコントロールに悪用されることがある</h3>
<p>飴と鞭は指導者の思い通りに人をコントロールさせてしまうことから、洗脳やマインドコントロールとして使われることもあります。</p>
<p>例えば、ねずみ講やマルチ商法などの悪徳商法でよくあるのが「ノルマを強いて達成すればランクアップや金銭の報酬を与える、未達ならランクダウンやペナルティを行う」といった仕組みで勧誘を行っていることがあります。</p>
<p>しかし、ここで決められているノルマは決して誰もが頑張れば達成できる適正なもの…とは限りません。</p>
<p>(そもそもが胡散臭い悪徳商法だけに)ノルマの達成は容易ではなく、大抵は失敗して追い詰目られますが、追い詰める中でも時々優しさ(報酬)を見せて、完全に心が折れないように整えていきます。</p>
<p>また、ノルマを達成すれば得られる報酬も現金だけでなく、承認欲求を刺激するようなお金で変えないような多くの人からの賞賛であたり、組織内での権力といった金では手に入らないもの、まさに今その人が欲しいと思っている魅力的なものを用意しておくことで、俄然のめり込みやすくなります。</p>
<p>マルチ商法やねずみ講が、やたらお金や名声にギラギラしたものを報酬としてチラつかせて勧誘をするのは、まさに、金や名声に飢えていたり、それに関して不安がある人の心に入り込むための装飾(もとい虚飾)とも言えます。</p>
<p>&nbsp;</p>
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<p>&nbsp;</p>
<h3>指導者の思いのままに動かせる人間が作れてしまう</h3>
<p>飴と鞭の指導は、いかにも胡散臭い集団のマインドコントロールとして利用されるだけでなく、ごく真面目に活動している部活動や企業といった集団にとって都合がいい人間を育成することもできます。</p>
<p>例えば、アメフトのようにコンタクトプレーで怪我をするリスクがあるスポーツにおいては、不用意に怪我をさせるようなラフプレーをすることは禁止されています。もちろんそんな行為事態、スポーツマンシップに反する由々しきプレーであり認められるものではありません。</p>
<p>しかし、勝利のためにラフプレーを行うことで報酬が、逆にラフプレーをしなければ罰が与えられる指導で教育すれば<strong>「ラフプレー＝報酬」</strong>と学習した選手を育成することができてしまうのも飴と鞭の抱える問題とも言えます。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>なお、マルチ商法にしろスポーツ指導にしろ、どちらも集団で行われることが大半のため、<a href="https://mental-kyoka.com/archives/2918">集団心理(群集心理)</a>や<a href="https://mental-kyoka.com/archives/2904">傍観者効果</a>も働きます。</p>
<p>集団全体でルール違反の行動をすることで責任が分散され罪悪感が薄れてしまう。またはルール違反となる行為をやってはいけないという当然のことが、集団になって冷静な判断ができなくなり、バレないようにやればいい、うまく誤魔化せばいいという冷静さを欠いた非合理的な思考をしてしまうことで、次第に不正行為に手を染めることに抵抗を感じなくなるのです。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>また、指導者からの指示としてやったにせよ、精神的に追い詰められたことから自分の意思でやったにせよ、何かしらの後ろめたさや罪悪感を感じることがあります。</p>
<p>真面目な人ほど、指示を断れなかったことや、追い詰められてルール違反に手を染めたことを気に病み罪悪感を覚えるものです。</p>
<p>しかし、その罪悪感ですら指導者が利用して、更に飴と鞭を与える…例えば、後ろめたいことを後ろめたくないこと、指示を守ってルール違反に手を染めたことを、むしろ賞賛すべきことだと吹き込めば、「ルール違反＝報酬」という思考がより強固になります。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p>
<h2>飴と鞭は指導する側の倫理観・価値観が反映される</h2>
<p>こうして見ると、飴と鞭の教育方法は指導する側の人・集団の思惑、倫理観、価値観を育成された人材に色濃く植え付ける教育方法とも言えます。</p>
<p>指導する側が倫理的にNGな所を責めることを良しとしていたり、グレーゾーンな所でも迷わず行動して利益を得られることを飴と鞭によって学習(≒洗脳)させてしまえば、それこそ反則行為を反則行為とも思わない、疑わない、気づこうとしない人材を生んでしまい、社会問題に発展しかねません。</p>
<p>もしも自分が指導する側に立つのであれば、自分の考えが暴走していないか、本当に自分の教え方に問題がないか…という自分で自分を客観視するメタ視点を持ち続けることが、大切だと感じる次第です。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p>
<hr />
<p>参考書籍</p>
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<div class="booklink-detail">植木 理恵 日本実業出版社 2010-02-26</div>
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